この度、第87回日本温泉気候物理医学会の総会・学術集会をきたる2022年6月11日(土)と12日(日)の 2 日間、長野県の諏訪市文化センターにおきまして開催させていただくことになりました泉從道でございます。伝統と歴史のある本学会の学術集会会長を拝命し大変光栄に存じますと同時に重積を感じております。
今回の学術集会を開催するにあたり、新型コロナウイルス感染が収束することを期待して、現地開催の予定でおりますが、現状ではまったく予断が許されません。そのため現地開催と同時にハイブリッドまたはオンライン開催の可能性も踏まえて準備を進めてまいりたいと考えております。
今回の学術集会のテーマは「物理療法におけるイノベーション」といたしました。物理療法とは温泉療法に代表される熱や水などの物理的なエネルギーを直接生体に加えて治療することから始まりました。当初は自然界に存在する熱や水などを利用していましたが、科学技術の発展にともなって電気・磁気・音波・振動などの物理的刺激手段が利用できるようになりました。また物理的刺激を身体に加えた状態で運動療法を実施し機能障害や活動制限を改善するといった複合療法へと進化してきました。近年、注目を集めている最先端のニューロリハビリテーションの分野では、反復経頭蓋磁気刺激療法、ロボットリハビリテーションといった、まさに物理的手段の応用により神経の可塑性に働きかけるという考え方が生まれています。そこで今回の学術集会では、それらを含めた広い意味での物理療法におけるイノベーションについて参加者の皆様と議論したいと思います。多く学会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
長野県の温泉地数は北海道に次いで全国第2位です。この機会に学術集会とともに長野県の温泉を楽しんでいただければ幸いに存じます。
第87回日本温泉気候物理医学会総会・学術集会
会長 泉 從道
室賀診療所 所長
諏訪湖畔病院
JA長野厚生連鹿教湯三才山リハビリテーションセンター三才山病院 名誉院長